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| 文・イラスト/山田 醂 |
vol.07 シリアの男たち
ここは、中近東のシリアという国。わたしが滞在しているのは、美しくも雄大な遺跡の街、パルミラ。砂漠のオアシス都市である。
街を歩くと相変わらず男たちがあちこちでお茶を飲みながらゲームをして遊んでいる。オアシスの小道を歩けば農園の中から男たちの話し声。低い塀を背伸びしてのぞいてみると木陰でお茶しながらおしゃべりをしている男たちと目が合った。みんな一斉に「ウェルカム!!ウェルカム!!」。
彼らが飲んでいるのはチャイ≠ニよばれている鼻血がでるほど甘い紅茶。灼熱の砂漠で頂く熱い熱いチャイはガツンとうまい。シリアではケーキだってものすごく甘い。とにかく甘いものはとことん甘い。
シリアに来て一ヶ月も過ぎた頃、不思議なことに気がついた。おじさんや少年はいっぱいいるのに、青年がいない。本当に全くいないのだ。これはいったいどういう事か。考えられる理由はいくつかある。
(1)青年は兵役で留守だから
(2)少年が突然おじさんになるから
(3)青年がおじさんにみえるから
人にたずねたり、観察したところ、この三つは全て正解ではないかと思う。でも一番大きな原因はBだと思っている。少年たちはみんな実年齢よりも幼くみえるし、大人たちは実際よりも年上にみえる。わたしが滞在している宿舎の掃除や食事の世話などをしている男性は36才らしく見た目よりも随分若い。そして、それを手伝っているおじさん、年を聞いたら18才だった。おじさんではなかった。青年だったのだ。こんなに身近に青年がいたのだ。
大人の男性の顔にはひげがある。老けてみえるのはそのせいだろうか。
彼らが作ってくれる料理はいつも本当においしい。それでも疲れがたまった時には湯豆腐と熱燗が無性に恋しい。こんなに暑い砂漠の国にいても。 |